中国のウイグル人強制労働問題で明るみになったグローバル企業の建前と裏の顔 ナイキ、アップル、コカ・コーラ、パタゴニアなど
Photo by SumOfUs
ウイグル人強制労働防止法案に対してナイキ、アップル、コカ・コーラ、アディダス、H&M、パタゴニア、トミーヒルフィガーなど名だたる企業が反対するロビー活動を行っているという報道がありました。
アメリカでの黒人差別問題や在日外国人への差別を訴えるCMなど賛否を巻き起こす行動をして荒れに荒れているナイキですが、ウイグル人に対してはまったく逆の行動を取っています。
アパレル企業において良質な綿を安く仕入れるということは利益に直結するので、多くのグローバル企業が中国の綿生産の8割を占めると言われている新疆ウイグル自治区の新疆綿に依存しています。
世界中の人々に優れた商品を提供して夢や希望を与えている反面、裏では血みどろの市場競争を勝ち抜くために倫理に反する行動もいとわない姿勢です。
一度グローバル企業にまで成長してしまうと、それを維持するため利益至高主義に陥り人権などは二の次になってしまうのかもしれません。
世界中で認知されるような製品でも素材や部品一つ一つにまで遡ると、多く人々の犠牲の上に成り立っていることがわかります。
アディダスに関しては真っ先にウイグル人の強制労働を排除する表明をしているので、沈黙する他企業よりはまともな判断ですがそれでも二面性は捨てきれません。
何も考えずナイキを捨ててアディダスを履くと宣言している人は浅はかな考えだと思います。
パタゴニアも新疆ウイグル自治区からの素材調達を停止したのでいくらかましですが、ロビー活動に参加していることで矛盾が生じています。
どの企業にも建前と裏の顔があり様々な思惑が複雑に絡み合っている状態なので、単純にロビー活動を行っている企業を不買すれば良いという問題でもなさそうです。
私に関して言えばナイキかアディダスだと昔からアディダス派、今使っているのはWindows PCとAndroidスマホ、コーラは滅多に飲まないという立場なのであまり生活に支障はありません。
ウイグル問題に関心の高い人はもしかしたら今まで愛用していたブランドを手放すことがあるかもしれません。
厳密に言えばマイクロソフトやアマゾンやグーグルなども間接的に加担している疑いがあるので無意味ですが。
先ほども述べたようにこの問題を細かく精査していくと、不買すれば着る服が無くなるくらい根深いので冷静な判断が必要です。
現代社会ですべての要因となる製品やサービスを避けて生活することは不可能に近いです。
ただでさえ先進国が発展途上国から搾取するような構図なのに、そこへ児童労働や強制労働が加わると余計にグローバル経済の闇を感じます。
国家よりも権力を持ってしまったグローバル企業が裏で世界を操っている限り、弱者から搾取する構図は変わらないでしょう。
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