洗濯板の正しい使い方 9割以上の人が間違った洗い方で生地を痛めつけている
洗濯機は文明の利器か?
全自動洗濯機が普及した現代において洗濯板を見かけることは滅多にありませんが、今でも100円ショップなどでプラスチック製の小さな洗濯板が売られています。
洗濯機は一見便利に見えますが、汚れを落とすことに関してはそこまで優れていません。
汚れやすい靴下などの頑固な汚れは手洗いしたほうが綺麗になる場合もあります。
洗濯機はあくまで大量の洗濯物を一度に洗うための機械なので、洗濯板と比べて便利だけれど完全な上位互換ではないという事です。
むしろ洗剤の方がすすぎ一回でOKだったり洗浄力がアップして目に見えて進化しているように思います。
省エネや節水の意識が高まった現代においても洗濯という行為は大量の水を使用することから脱却できずにいます。
何となく21世紀だから水を使わないプロセスで汚れを落とす未来の発明を想像してしまいますが、洗濯はいまだに水洗いから脱却できていません。
一人暮らしや少しの洗濯物に対して洗濯機を使うことに抵抗感を抱く人も多いでしょう。
洗濯機の中で行われていることは洗濯物同士の摩擦によって汚れを落としているだけなので、ある程度洗濯物の量がないと洗浄力が落ちてしまいます。
また手洗いした方が生地を痛めにくく服が長持ちしやすいので、大切にしたい服は絶対に手洗いというこだわり派も一定数います。
シンプルに洗濯板とタライやバケツさえあれば電気を使わず少量の水でしっかりと洗濯物の汚れを落とすことができます。
洗濯時間も洗濯物が少なければ少ないほど短縮するので、洗濯機よりも小回りが利くと言えるでしょう。
ただしこれには脱水の時間が含まれていないので、脱水をどう捉えるかにもよると思います。
靴下や下着のような薄手の小さな洗濯物ならそもそも脱水をする意味があまりなく、そのまま干しても真っ先に乾きます。
サラダスピナーを簡易脱水機として応用したり、脱水だけ脱水機にまかせるとかなり洗濯という行為がミニマルになります。
毎回コインランドリーで洗濯しているような人はそれだけでかなり生活費を減らせるので一考する価値はあります。
道具だけでは伝わらない
日本における洗濯板の普及は大正時代に入ってからで、昭和になると洗濯機が使われ始めるので実はそれほど長い歴史はありません。
大昔から洗濯板にタライというイメージでしたが、手洗いや足もみが一般的な洗濯方法だったようです。
大正や昭和のドラマや映画がたくさん制作されていますが、当時の雰囲気を出すために洗濯板が映り込むシーンを度々見かけます。
しかしいくら見た目にこだわっても肝心の使い方が間違っていると、その時代を生きてきた人たちは違和感を覚えるようです。
洗濯板における違和感とはおそらく9割以上の人が間違っている洗濯板にゴシゴシと洗濯物を擦り付ける使い方です。
医療ドラマなら医療監修、歴史ドラマなら時代考証など専門家が監修しているはずですが、それでも細かい所作まで完璧に再現するのはなかなか大変そうです。
洗濯の基本は洗濯物の生地同士を擦り合わせて汚れを落とすことなので、それは洗濯機でも洗濯板でも変わりません。
洗濯板の溝は石鹸水を留めるためで凹凸を使って汚れを落とすわけではないようです。
溝がカーブしているようなら山を下して石鹸水を中央部に集める使い方が正しく、逆にして洗うとすぐに洗濯板の端から流れ落ちてしまいます。
これは木製の洗濯板を使った和式の洗い方なので、海外のトタンやガラス素材の洗濯板だと洗い方に違いがあります。
木製の洗濯板は表面の摩擦力が高いので、直接板に擦り付けるような洗い方は生地を痛める原因となります。
もしかするとプラスチック製の表面がツルツルしたタイプなら洋式の方法でゴシゴシ擦りつけても大丈夫かもしれません。
ほんの数十年前には当たり前に使われていたものでも、時代が変わると途端に使い方すら忘れてしまうのは、それだけ文明の成長速度が早いという事でしょう。
和式の洗濯板の使い方については動画を埋め込めなかったので下記のリンク先から視聴してください。
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