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打ち抜き井戸掘りは業者に頼まず自分の手で掘削する簡易的な方法


Photo by ume-y

水道インフラから独立した水源の確保

一昔前は生活の基盤を支えていた井戸が身近な存在でしたが、水道が整備されるとあまり見かけなくなりました。

しかし近年の度重なる自然災害水道民営化に対する懸念もあり、再び家庭用の井戸が脚光を浴びています。

現代人にとっての水はお金を払って手に入れるものとなっていますが、我々の住む場所のすぐ下には綺麗な地下水が流れており、井戸はそれを地上まで供給する手段として長年使われてきました。

蛇口をひねればすぐに清潔な水が出てくる事に慣れてしまっていると、その有り難さが薄れますが当たり前が失われた時にようやく実感するでしょう。

停電よりも断水の方が生活におけるストレスが高く、お風呂や水洗トイレといった生活に欠かせないものが機能しなくなると途端に絶望します。

断水時は飲料水や生活用水の確保で精一杯なので、大切に育てている植物へ満足に水をあげられないかもしれません。

断水は復旧すればもとの生活に戻れますが、水道民営化でもし水質が落ちると日本の水道の安全神話が崩壊する可能性があります。

それらを考慮すると自宅のすぐ下に眠る水源を掘り当て、公共の水道インフラだけに頼らない生活を望む人が増えるのも当然でしょう。

打ち抜き井戸はDIYに最適

自宅の庭や空き地に井戸を掘るとして業者に頼んで工事してもらえば労力を使わず短時間で完成しますが、それなりにお金がかかります。

実は打ち抜き井戸という方法をとれば自分の手で井戸を作ることができます。

掘りぬき井戸という貞子が出てくるような大きな穴の井戸はなかに人が入って作業するので、個人が作るには危険で労力もかかるので非現実的です。

打ち抜き井戸は塩ビ管の小さな穴の中だけを掘り進めるので、個人でも頑張れば数メートルの深さまで掘ることができます。

安定した水量や飲料水にできるほどの水質を得るにはもっと深堀りしなければならない場合もありますが、ガーデニングの水やりや非常用水と考えればそこまでシビアになる必要はありません。

業者の掘削機を使えば1時間程度で掘れる深さを何日もかけて少しずつ掘り進める作業は大変ですが、掘り当てた時の感動はひとしおでしょう。

打ち抜き井戸は一人だけで作れてすべての作業を地上から行えるので安全なのがDIYに適しています。

建物を建てる際に行うボーリング調査データから事前に目安となる砂礫層の深さを知ることでより確実な作業が行えます。

地域によっては井戸のポンプ設置や修理に要した費用に補助金が交付される場合もあるので事前に確認しておきましょう。

仮に掘り当てられなかった場合でも高い費用を投じて機械掘りするのに比べればダメージは少ないです。

もし近所に川や使われていない古井戸があればまったく出ないという事は考えられません。

それから手押しポンプであれば電気は必要ありませんが、モーターで汲み上げる方式だと停電時に井戸水が使えなくなります。

非常時を想定して井戸を作ったのに停電と断水が同時に起きて機能しないというリスクを回避したいなら、使い勝手を落としてでも手押しポンプにしましょう。

生活用水にすると下水道使用料がかかる

また井戸水には水道代はもちろんかかりませんが下水道使用料はしっかりと徴収されます。

これは井戸水であろうが雨水でも汚水として下水に流せばその分支払うが増えてしまいます。

井戸水を無料でジャブジャブ使ってるという家庭は役所へ下水道使用料に関する申請をしていない可能性があります。

あくまで草木への散水だったり非常用と割り切れば下水管へ排水しないので下水道使用料はかかりません。

まあ水だけ無料で手に入れて汚水処理も無料でおまかせというのは都合が良すぎるので仕方ありません。

汚水も私有地内で処理できるような仕組みを作れば完全に水道インフラから独立できますが、一般的な家庭では難しそうです。

まとめ

日本は世界的に見れば水資源に恵まれた国ではありますが、それでも生きるうえで欠かせない水を確保しにくい状態に陥る可能性があるので、水道インフラに頼らない独自の水源を持つと安心できます。

賃貸暮らしや井戸を設置するスペースのない自宅だとあまり関心が持てないと思いますが、時代の変化と共にこれから少しずつ井戸を見かける機会が増えていくのではないでしょうか。

人類が利用できる水資源は一部の淡水に限定されており、水戦争と呼ばれる時代がすでに始まっているとも言われます。

水不足に陥るというよりは水の権利を企業に牛耳られて今までのように自由に使えなくなる可能性があるということです。

水資源に限らず既存のインフラに頼り切らない意識が2020年代以降を生き抜くためには必要になってくるでしょう。

誰のための水道民営化?
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