トランプ関税は日米貿易摩擦のような混乱を招き今度は世界経済全体を破壊するか?
トランプ関税とアメリカの行く末
日米貿易摩擦は戦後アメリカの貿易赤字の不満を解消するために日本に対して関税を大幅に引き上げ、その後に起きるバブル崩壊の一因となったり、長い不況へ突入する切っ掛けとなった出来事です。
一方でトランプ関税はかつてイケイケだった日本経済にピンポイントで制裁を加えたのとは違い、世界中に向けて無謀な関税をかけることで自国の貿易赤字を改善しようとする政策です。
しかしあまりに短絡的な政策はかえって自国の産業の成長を阻害する可能性があり、株価の大暴落や大量解雇の原因となってしまいます。
世界貿易機関 (WTO) の定めるある国に与えた貿易上の優遇措置は他のすべてのWTO加盟国にも平等に与えなければならない原則や、輸入品に対して国内で生産された製品と同等の扱いをしなければならない原則からも逸脱しています。
そして加盟国間で関税を引き下げ、貿易障壁を削減することで自由な貿易を促進するという原則とは真逆の方向へ向かっています。
ロシアや中国もそうですが大国がルールを無視して好き勝手に世界を牛耳ろうとする限り、世界平和は永久に訪れないでしょう。
中国とは報復関税の応襲でもはや経済戦争状態であり、ウクライナ支援を止めたことでEUとの関係も冷え切っています。
ロシアにも停戦交渉をした結果決裂してしまい孤立するアメリカが浮き彫りとなりました。
既存社会からの脱却
関税戦争は「保護主義の連鎖」を生み、自由貿易体制の弱体化を通じてグローバルな景気後退の引き金になり得ます。
二度と世界恐慌を引き起こさないためにWTOなどによって世界秩序が守られてきましたが、そんなのお構いなしに自我を押し通す者が権力を握るとすべてが無価値になります。
日本からの輸出だけでなく、現地の製造コストが上がれば海外からの輸入品にも影響するので、輸入頼みの日本にとって貿易摩擦は何ひとつ良いことがありません。
世界中を循環していたエネルギーが内向きに溜め込まれると何れ爆発して国家間の戦争や内戦へと発展するでしょう。
自国だけ良ければ他はどうでもいいという社会を形成するのに地球はあまりにも小さすぎます。
悪いことばかりが目につきますが、ある意味では既存の社会から脱却する時が来たとも捉えられます。
行き過ぎた自由主義的な国際貿易が多くの人を不幸にしているという側面もあり、あらゆるものが大量生産と大量消費の循環の中にあるので、どこかで破綻することは目に見えています。
トランプがそこまで深く考えて行動しているかはわかりませんが、現れるべき人が現れて世界を次の時代へ強制移行させるような現象だとしたらいくら抵抗しても無駄でしょう。
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