Native Shoes “The Plant Shoe” 植物から作られた生分解性100%の土に還るスニーカー
現代社会に生きる者なら誰でも自分の履物を最低一足は持っているはずです。
縄文人ですら靴を履いていた痕跡があるので人と履物の歴史は非常に長いです。
大昔には動物の皮や植物の繊維などを加工して手作りしていた靴も今では工場で大量生産され様々な人工素材が使われています。
履き潰した靴はいずれゴミとして処分されますが、それが土へ還ることはありません。
カナダのシューズブランドNative Shoesが開発した『The Plant Shoe』という靴はスニーカーでありながら自然由来の素材のみを使用して生分解性100%を実現しました。
昔の履物は自然に劣化して土に還るのが当たり前でしたが、現代人の生活にフィットした履物を作るのは一苦労です。
動物性の物質を含まないためヴィーガンでも安心して履けるのが特徴です。
デザインは古典的なコートシューズのようなシルエットで、キャンバス地はオーガニックコットンとパイナップルの皮をブレンドして独特の質感を出しています。
インソールはアフリカのケナフという麻に似た植物の繊維とトウモロコシの殻から作られており耐久性が高い素材です。
アウトソールも天然ラテックスで製造過程においても石油化学製品や添加物を使用せず加工しています。
ウレタンフォームで安価にクッション性を確保できる時代にコルクを主体とした環境に優しい素材で履き心地の良いスニーカーに仕上げています。
天然素材で手間暇かけて作るので当然ながら大量生産できるものではありません。
しかしこれだけ強いコンセプトのスニーカーを商品化して販売までこぎつけたのはシューズブランドとして大きな意味があると思います。
Native Shoesはもともと動物製品に頼らない靴作りを追求してきましたが、今回さらに一歩踏み込んでストイックに環境と向き合った結果としてThe Plant Shoeが生まれました。
再生プラスチックを使ったスニーカー製造も行われていますが、まだまだ技術不足で完全にリサイクルするのは困難です。
Native Shoesは2023年までにすべてのシューズを完全に堆肥化またはリサイクル可能にすることを目標としています。
ReebokやAdidasも自然由来やリサイクル可能なプラスチックでのスニーカー開発を熱心に行っています。
Reebok NPC UK Cotton & Cornはかなり先進的なスニーカーでしたが、あまりにプロモーションや販売経路が限定的すぎました。
日本でもかつて庶民の履物だった下駄や草履の価値が見直されたら、高温多湿な日本の夏をもっと快適に過ごせそうです。
足の甲まで覆ってしまうスニーカーでは暑すぎますし革靴ならもってのほか。
サンダルでも涼しいですが下駄や草履の方が情緒があり、より日本の風土にあった履物です。
今後も世界的なブランドが我先にと環境に優しい合戦を繰り広げると思いますが、消費者側もしっかりと本物を見極める必要があります。
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