多摩川水系でガサガサ (タモ網で魚採り) するのは犯罪!? 外来種を放流することの是非
Photo by ajari
目次
在来種を集めたビオトープを作りたい
日本在来の動植物でビオトープを作ろうかと思い、多摩川にメダカが住み着いているという情報を知りメダカ採りに行こうと考えました。
ビオトープといってもせいぜいプランターや睡蓮鉢程度の規模なので広義でのビオトープを意味します。
厳密なビオトープの定義となると長くなるので省略しますが、もともとその土地に在来する種だけで構成されたビオトープが最高形と言えるのではないでしょうか。
多摩川の再生と外来種
多摩川は荒川や利根川と並んで東京を代表する河川ですが、一時は生活排水によって汚染され生物が激減していました。
近年の下水処理技術の発達により処理された水によって少しずつ自然が再生してきています。
一方でペットとして飼いきれなくなった外来魚などが、無責任な飼い主によって放流されて越冬・繁殖するものも現れ、今ではタマゾン川と呼ばれるほど生態系が破壊されています。
環境汚染と外来種の流入により昔のような多摩川を取り戻すことは不可能と言って良いでしょう。
どれだけ動植物の種類が増えてもこればかりは二度と再現することはできません。
ガサガサは犯罪行為
メダカといえど立派な魚なので多摩川の遊漁券について調べてみました。
結論から言うと多摩川ではタモ網で魚採りするための遊漁券を販売していないので、許可を得ていない限り一般人がガサガサを行う事ができません。
しっかりと漁協にガサガサの許可を取って漁をしている情報を発見する事ができなかったので、個人のブログや動画を真に受けてガサガサすると犯罪行為に該当してしまいます。
子供がガサガサをして大人がそれを見守る程度であれば問題ないでしょうが、大人がタモ網でガサガサするとさで網漁と同じような括りになってしまうようです。
漁業協同組合が管理する河川へガサガサしに行く際には事前に遊漁券の有無などを確認してから採集するようにしてください。
真のアウトドアマンやアクアリストであればルールを守って楽しむべきだと思うので、多摩川でのメダカ採集は諦めることにしました。
そもそも多摩川に生息するメダカは在来種ではなく、一度絶滅した後に放流されたと思われるメダカなので純血ではないでしょう。
Photo by Guilhem Vellut
漁協はニジマス (外来種)を放流している
ブラックバスやブルーギルは特定外来生物として表向きに駆除の対象とされていますが、漁協は毎年ニジマスを放流している事はあまり問題にされません。
ブラックバスやブルーギルのように繁殖力が旺盛ではなく、放流しても釣り人がほとんど釣り尽くしてしまうので黙認されているようですが、少なからず在来種に影響を与えているはずです。
イワナやヤマメよりも安価で引きもそれなりに強く釣れやすい魚なので、全国各地の河川に放流されています。
釣り人の満足度の高い魚を放流することで人を集めて、 遊漁券や入漁券による収益を確保するというのはわからなくはありません。
もちろん自然繁殖もしていますが、清流を泳いでいる目ぼしい魚の多くが養殖された魚であるいう現実。
ニジマスが自然繁殖しているという情報も見かけますが、決して公にならないのは、こうした利害関係が絡み合っているからでしょう。
河川の清掃や外来種の駆除などにもお金が使われているので悪い面ばかりではありませんが、もう一歩踏み込んで河川の生態系を考慮した漁業を考えていくべきではないかと思います。
Photo by ajari
まとめ
ビオトープのメダカの話からいつの間にか外来種の放流にまで話を広げすぎましたが、まとめると同じ種でも地域によって遺伝子が異るので、たとえ日本の在来種であっても自然へ放ってはいけないと言うことです。
外来種なら言わずもがな深刻な自然破壊に繋がるので、自分の手で管理するからには細心の注意を払いましょう。
日本に自生する動植物の魅力を身近に感じられるという意味では、例え採集したもので無くとも在来種の飼育や栽培は有益なことだと思います。
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