My Summer Car 90年代のフィンランドで生活する地味な本格カーライフシミュレーター
※現在のバージョンではかなり仕様が変わっています。
My Summer Car (マイサマーカー)とはSteamで2016年10月にリリースされたカーライフシミュレーターです。
家族は旅行へ行き留守番を任された青年がフィンランドの田舎町で北欧の短い夏を過ごすことになります。
舞台となる1995年のフィンランドはちょうどEU (欧州連合)に加盟したばかりで、当時のフィンランドの雰囲気がよく再現されています。
ゲームを始めると自宅からスタートするのですが、最初からマイカーに乗れるわけではなく玄関を出ると錆びついたマイカーのボディーが置かれている状態で、エンジンから何から自力で組み立てなければなりません。
この自動車の組み立てに関してがやたらリアル志向でネジのサイズもそれぞれ違いその都度スパナを持ち替えたり、きっちりネジ止めしないと最悪パーツが破損する恐れがあるほどシビアです。
ただし組み立てなくても叔父の青いバンやバイクにも乗れて、納屋の方へいけばトラクターやトラック (バキュームカー)も置いてあるので、必ずしもマイカーを組み立てる必要はありません。
ゲーム目的は特に定められておらず実績解除を目指すのもひとつの遊び方ですがそれだけに留まりません。
薪割りや汚水処理の仕事でお金を貯めて自動車のパーツをいじりながら、何気ない生活を送ることに楽しみを見出せるかでこのゲームとの相性がわかります。
とてつもなく地味なので万人向けのゲームではありませんが、ハマる人は何百時間と遊び続けてしまうほどの中毒性を含んでいます。
また発売当初はたしかにクソゲーの部類でしたが定期的にアップデートが行われており、クソゲーらしからぬ変化を遂げそこそこ遊べるレベルまで仕上がってきました。
Satsumaと呼ばれるマイカーは完成するとこのような可愛らしい姿になります。
この自動車のモデルは日産チェリー (Datsun 100 A)という実際に存在するもので、開発者が日本車好きなのか青いバンもトヨタのハイエースバンだったりします。
苦労して組み立てたマイカーのエンジンがかかった瞬間は、難しいパズルを完成させた時のような達成感があるのでぜひ味わっていただきたいです。
内周が未舗装で外周が舗装された道路というマップになっているのですが、未舗装の道路は事故れと言わんばかりのデコボコした状態なので気を抜くと脇道にそれて木にぶつかって死んだり横転することが度々あります。
他の車を使って牽引することができますが、牽引中さらにその車でも事故ったりとトラブルが絶えません。
このゲームにはキャラクターステータスという概念があり、尿意・飢え・喉の渇き・疲労・体の汚れなどサバイバルゲーム顔負けの体調管理をしなければならず、これがカーライフシミュレーターにとって良いアクセントとなっています。
あえて食料品やガソリンなどが売られているコンビニのようなお店が自宅から遠くに配置されており、生きるためには移動手段としての自動車が必須になります。
黙っていても食料は必要だし自動車で往復するにもガソリン代がかかるので、序盤は何かとお金が不足気味になります。
お金がなければ生きていけないので汚水処理をするために民家を訪問しますが、満タンになった糞尿を車検場へぶち撒けろという実績もあったりとユーモアがあります。
マップ中央の大きな湖をボートで横断することもできます。孤島にあるコテージでまったりすることも出来ますが、将来的に釣りなども実装されるとさらにボートの利用価値が上がるのではないでしょうか。
自動車パーツ自体が破損することもあり、常にマイカーのご機嫌をうかがいなら走行することでマイカーへの愛着が湧くのかもしれません。
今の自動車は精密機械のように高性能になった分だけ、自分でいじくり回す楽しみが減ってしまった気がします。
My Summer Carを発売当初から実況動画をアップされている犬小屋ゲームというチャンネルがあるのですが、道民のほんわかした語り口や90年代に青春を過ごしていた世代の方なので、それが妙にこのゲームとマッチしていると思います。
北海道といえば水曜どうでしょう発祥の地ですが、深夜番組ならではのゆるい構成や独特の企画で人を選ぶことがMy Summer Carと似ています。
犬小屋ゲームでも以前仰ってましたがMy Summer Carを一言で表すと水曜どうでしょう的なゲームと言えるでしょう。
いかにトラブルや面倒臭さを楽しめるかでこのゲームとの付き合い方が変わります。
ヘルシンキと札幌の平均気温が同じくらいなので、気候や人間の大らかさなど近いものがあるのかもしれません。
My Summer Carのコンセプトで北海道を舞台に軽トラを乗り回すゲームがあれば最高なのですが、MODで軽トラだけでもよいので誰か作ってください (笑)
まだアーリーアクセスなので粗削りな部分が多々ありますが、その粗削りさも良い味になっているので地味なゲームが好きな人は買って悪戦苦闘しましょう。
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コメント一覧
バンがてにはいりません。どうしたらいい
現在のバージョンだと最初からは手に入りません。
https://wikiwiki.jp/msc/data/%E4%B9%97%E3%82%8A%E7%89%A9/Hayosiko%28%E3%83%90%E3%83%B3%29
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