KLEMAN (クレマン) PASTAN ミリタリースペックなフランス産のプレーントゥシューズ
黒い外羽根プレーントゥシューズを買いました。
KLEMAN (クレマン) PASTANという製品でフランスにある革靴メーカーCLEON社のワークラインブランドです。
癖のないデザインでなおかつミリタリースペック基準をクリアしており、フランス軍はもちろん警察署や消防署さらには市役所などの公共施設に納入しているメーカーらしいです。
あまりに癖がないというか洗練されているので、アパレルのセレクトショップでも見かけるほどです。
黒い外羽根プレーントゥシューズは革靴の中でも一番守備範囲が広いので1足持っておくと幅広いシーンで使えます。
私はカジュアルシューズとして履くことがメインですが、ビジネスから冠婚葬祭も何とか対応できるほどのキチンとさは兼ね備えています。
さすがにフォーマルなシーンには内羽根ストレートチップが最適なのは言うまでもありませんが。
そもそもクレマンを買う前にU.S. NAVY (アメリカ海軍)のサービスシューズを探していましたが、近年のALDEN (オールデン)人気の影響なのか軍用レザーシューズの価値まで上昇しています。
サービスシューズは1940年代~1990年代まで作られていたものなので、年月が経てば立つほど状態の良いものが入手困難となります。
1940年代のデッドストックともなると5万円を超えてくるのも珍しくはありません。
まあまあ履き古した中古品でも2~3万円で売られていたりするので、もし状態の良い美品やデッドストックを見かけたら即買いして損はないと思います。
ミリタリーの実用品というだけでストーリー性は抜群ですが、さらに半世紀以上前の革靴を今履けることが高品質なのを証明しています。
ただしオールデンはどんどん値上がりして品質と釣り合わなくなっている気がします。
インスタグラムで検索しても履いているのは日本・中国・韓国・東南アジア系の人たちばかりで、ブランド志向なアジア人の心をつかむマーケティングで稼いでいる背景を知るとあまり魅力を感じません。
オールデン好きの方にはたいへん申し訳ないですが、コードバンを使った製品は履き込むと独特の質感に育つので、それに価値を見出すのは否定しません。
そんなアメリカ製サービスシューズ人気が加熱するなか、ヨーロッパ製サービスシューズも安くて品質も良いものが作られています。
なかでもフランス軍のサービスシューズは実用品なのにどこか上品なデザインをしています。
米軍のサービスシューズはもっと丸みがあり良くも悪くも野暮ったさがあります。
それでフランス軍のサービスシューズはどこが納入しているのか調べたらMarbot社やそこが手がけたブランドBALLYが該当したのですが、バリーってあのオールデンのバリーラスト (木型)のルーツなのかと思いを馳せました。
クレマンもそれに極めて近い位置づけでデザインも似ています。
質実剛健なフランス製で2万円を切る値段なので、この価格帯ではかなりコストパフォーマンスに優れる製品ではないかと思います。
欠点でもあり利点でもあるのがソールがセメント製法で作られているのでソールの交換ができません。
その分ラバーソールなので水に強く雨や雪でもガシガシ履けます。
もちろん日本製のリーガルやスコッチグレインにも手が届いてしまう値段なので、ソール交換もできるグッドイヤーウェルト製法の方が長い目で見るとお得かもしれません。
ただし毎日のように履いて酷使させるわけでもなく、ソールがすり減るまで履き込むにはかなりの時間を要すでしょう。
個人的に雨の日に履くのを躊躇するような水濡れに弱い靴や身の丈に合わない靴は持っていても仕方がないので、天候を気にせず履ける靴こそがベストだと考えています。
それでも白いスニーカーを大雨の日に履くことは気が引けるので矛盾することもありますが(笑)
コンバース ジャックパーセル 定番の白いスニーカーにはそれなりの理由がある
早速ですが買ったばかりのPASTANをお手入れしました。
いつ買ったか忘れたほど古いM.MOWBRAY (エム・モゥブレィ)のシュークリームジャー。
放置していたら中身が分離していたので捨てようかと思いましたが、指でかき混ぜたら元通りになったのでそのまま使っています。
革靴のお手入れはブラッシングが一番重要で、あまり色々なものを塗りたくっても革が呼吸できずに痛んでしまうのでほどほどにしましょう。
靴磨きが終わりマットな質感だった靴先に若干艶が出たような気がします。
働く人のための完全なる実用靴で歴史背景もそれなりにありつつ、シンプルでコストパフォーマンスに優れた革靴を探しているなら必ず候補になります。
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