日本のミニマリスト 紀里谷和明 (きりや かずあき)
Photo by Kazuaki Kiriya
きっかけはiTunes
紀里谷和明さんは1983年にわずか15歳で渡米し、高校・大学時代をアメリカで過ごしました。1994年から写真家として活動を開始し、映画監督・演出家・写真家としてマルチな活動をされています。
そんな紀里谷さんが物を持たない生活を始めるようになったきっかけは、iTunesが公開されCDなどの音源をデジタルファイルとして保存できるようになった事です。音源のデジタル化はすなわちCDという物体を所持せずともたくさんの音楽が聴けるようになったわけで、CDはもちろん収納していたラックまでも不要になるということです。
今まで部屋の一角を占めていたものが突然必要なくなるという変化が起きました。不要になったものなので捨てることにします。一度捨て始めると捨てることが快感になり、本や書類などデジタル化できるものはデジタル化し、服など身の回り物を次々に捨てていきました。そして残った物はスーツケースに収まってしまうほどわずかな量でした。
先進国の富は途上国からの搾取で成り立つ
ベルリンの壁崩壊から冷戦と激動の時代をアメリカで過ごした紀里谷さんは、戦争や紛争よりもっと根底にある、世界のパワーバランスの歪みによる一方的な搾取によって多くの人々が苦しんでいるという現実に直面します。
誰も幸せになれない負のスパイラルを断ち切るため、自ら行動を起こす決意をしました。自分ひとりでは何も変えられないけど、自分の活動を誰かが知ってその人も行動を起こしたり、日々の生活を少しずつ見直すきっかけになれば世界も変わるのではないかという信念のもと今も多方面に活動されています。
毛皮への意識を変える映像
先進国の人々への意識改革の一環として『毛皮反対プロジェクト』という映像作品が公開されました。人間の都合だけで犠牲になる動物を救いたいという思いが動画を通して伝わってきます。
毛皮反対プロジェクト from KIRIYA PICTURES on Vimeo.
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