口琴は口に加えて弾くとビヨンビヨンと独特の音色を奏でる原始的な楽器
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口琴 (こうきん) は紀元前から存在する原始的な楽器であり、金属などで作られた本体を口に加えて指で弾くことで演奏できます。
日本ではアイヌ民族の伝統楽器として口琴が残っており、似たような構造の楽器が世界中に存在します。
口琴だけを指で弾いてもあまり音が出ませんが、口腔を広げて唇や歯に押し当てながら弾くことでビヨンビヨンという独特の音色を奏でます。
多くの楽器が楽器本体で音を出す仕組みなのに対して、口琴は人間の口腔の広さや舌の位置によって微妙に音を変化させながら演奏します。
バイオリンや笛のようにある程度経験を積まないと綺麗な音が出せない楽器とは違い、口への当て方が正しければきちんと音が出ます。
楽器としては最初のハードルがかなり低いですが、自分の理想とする音を出そうとすると楽器に頼ることができないので、何度も演奏して感覚をつかむしかありません。
他に替えがきかないので音楽や効果音など様々な場面で口琴が使われており、日本人になじみのあるものではど根性ガエルのオープニング曲が有名です。
実物のカエルが飛び跳ねても音はほとんどしませんが、ビヨンビヨンという音色がカエルの飛び跳ねる音とよくマッチしています。
反復する金属音を上手く利用すればテクノやトランスのような雰囲気の演奏をすることができます。
まだ電子音楽どころか近代的な楽器すらない時代に、このような音色を奏でていたと考えると面白いです。
宗教や超自然的な思想とも関わりが深そうなので、民族の祭事や儀式の時にはよく演奏されていたかもしれません。
口琴は現在でも売られており楽器の中では比較的安く手に入れることができます。
ひとつ欠点を上げると歯に当てるタイプは振動弁を歯にぶつけると痛いのと、長く演奏すると振動が歯に悪そうだということです。
振動弁は強く弾くと折れやすいので軽く触れてるくらいで十分で、歯に振動弁が当たらないように少し歯と歯の間を開けるのがポイントです。
それでも何千年も生き残ってきた楽器なので、演奏する楽しさと音の響きや演奏の奥深さの方が勝っています。
世界最古の楽器は骨で作られた笛らしいですが、笛もそれだけでは音が出ず口をつけて演奏します。
人間の口という高性能な器官を使うことで楽器を簡素化できるので、古代人の技術力でも作りやすく親しまれてきたのでしょう。
口琴も同様に最初は骨に切れ込みを入れただけのシンプルな構造で、それでも立派に音が鳴るというのだから驚きです。
楽器はしっかりと演奏する技術を身に着けなければと勝手にハードルを上げがちですが、古代人のようにもっと感覚的に楽器と触れ合う方が自然な気がします。
いつの時代も人間は音楽でコミュニケーションしながら、人生を豊かに過ごそうとしたに違いありません。
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