ザリガニが特定外来生物に指定され飼育禁止!アメリカザリガニは規制対象外なのでマニア以外は問題なし
※2023年6月1日からアメリカザリガニも条件付特定外来生物に指定され、販売・頒布・購入・放出が規制されます。
子供のころに近所の川や池で捕まえたザリガニを飼育した経験がある人は多いでしょう。
大人になっても子供と一緒にザリガニ釣りをして持ち帰るなど野生動物のなかではわりと身近な動物です。
都会の水辺でも普通に見かけるほど環境汚染に強く、他の生物を駆逐するほど繁殖力が強いので全国各地に住み着いています。
そんなザリガニが2020年11月から特定外来生物に指定され飼育や販売が原則禁止されることになりました。
すでに飼育しているザリガニについても届け出が必要になり、許可なく飼育すると懲役1年以下もしくは100万円以下の罰金が課せられます。
ただし私たちがよく見かけるアメリカザリガニや在来種のニホンザリガニは規制の対象外なので、これまで通り飼育することができます。
というわけで一部のザリガニマニアにとっては大打撃ですが、ザリガニ好き程度ならアメリカザリガニだけでも十分に飼育を楽しめるでしょう。
目次
ミステリークレイフィッシュ
おそらくザリガニの多くを特定外来生物に指定した一番の理由はミステリークレイフィッシュの増殖を抑えるためだと思います。
ミステリークレイフィッシュは単為生殖をするザリガニでたった1匹からクローンで繁殖し、瞬く間に世界中に広がりました。
原産地が不明なのも不気味ですがとにかく強靭であらゆる環境に適応し、1匹でも自然に放たれると無限に増殖ながら環境を破壊します。
アメリカザリガニですら他の在来種を食べ尽くしてしまうほどの繁殖力があるのに、野生化したミステリークレイフィッシュはそれを凌ぐ勢いです。
ザリガニペスト (ザリガニカビ病)
もうひとつ規制を急ぐ理由としてザリガニペストという病原菌が輸入ザリガニによって持ち込まれるリスクを減らすためです。
もし耐性のない在来種のニホンザリガニに感染すれば一溜まりもないので、なるべく流通させないに越したことはありません。
アメリカザリガニはすでに手遅れ
アメリカザリガニを規制の対象外にしたのは、すでに国内に定着しており今さら規制したところで手遅れだからです。
戦後食糧難の時代に食用のウシガエルの餌として持ち込まれるも、カエルを食べる習慣は定着せず野生化したウシガエルやアメリカザリガニが負の遺産として残りました。
ウシガエルはあまり日本の環境に合わないのか近年数を減らしていますが、アメリカザリガニはどこでも見かけるほど適応しています。
人工飼料で簡単に飼育できるのでペットとしても人気が高く、アメリカザリガニを除くアメリカザリガニ科の全種が規制という判断になりました。
同じくニホンザリガニを除くアジアザリガニ科の全種とザリガニ科の全種とミナミザリガニ科の全種です。
ドワーフザリガニが一番の犠牲者
今回の規制で一番の犠牲者はドワーフザリガニだと思います。
ドワーフザリガニは5cmに満たない小型のザリガニで小さな水槽で飼育できることからペットとして人気があります。
しかし今後は規制されるのでいずれ日本から姿を消すでしょう。
日本で野生化したという話も聞きませんし、カラフルで愛らしい姿がペット向きだっただけに残念です。
アメリカザリガニのカラーバリエーション
規制されたものは仕方ないので、気持ちを切り替えて飼育可能なザリガニを愛するしかありません。
在来種のニホンザリガニは北海道や東北などの冷水に住むザリガニなので、ペットとして飼育するにはあまり向きません。
そもそも生息地では天然記念物なので一般人が飼育すること自体が珍しいです。
アメリカザリガニとその派生種を飼育するのが現実的です。
一般的なアメリカザリガニは赤色ですが、品種改良されておりカラーバリエーションが豊富です。
もちろん遺伝子的にはアメリカザリガニなので色が変わっても飼育することができます。
青ザリガニ (ブルーザリガニ) ・コバルトクラーキー
原種の赤色も美しいですが薄っすらとした青色は爽やかな印象になります。
より青味の強いフロリダハマー (フロリダブルー) が規制されるので青ザリガニの需要はより高まるでしょう。
オレンジザリガニ・レッドザリガニ
鮮やかなオレンジやレッドのザリガニは水槽内で存在感があり人気のカラーです。
メキシカンドワーフほどのコンパクトさはありませんが、この系統の色が好きならまず選ぶでしょう。
白ザリガニ (ホワイトザリガニ)
白いボディに黒くて丸い目が映えるので、力強さよりも可愛らしさが勝る品種です。
一見弱そうに見えてアメリカザリガニの適応力は失っていないので飼いやすさは変わりません。
タイゴースト
ところどころ白が混じったり半透明になる品種で、良い個体を求めて繁殖しがいがあります。
本場タイではブリードが盛んに行われており上物は高値で取引されます。
6ヶ月間の猶予期間がある
規制開始の2020年11月2日から2021年5月1日まで6ヶ月間の猶予期間があるので、すぐに殺処分しなくても大丈夫なようです。
もし今後もザリガニを飼育するために届け出をする人はこの期間を利用して手続きを完了させてください。
まとめ
飼育者一人ひとりがきちんとルールを守り終生飼育すれば、野生化することなくザリガニ飼育を楽しめるはずですが、一部の飼育者や販売者がルールを破ることで、結果的に自分自身の首を締めることになります。
アメリカザリガニもすでに野生化しているとはいえ侵略的外来種であることには変わりないので、ブラックバスやブルーギルのようにいつ飼育禁止になってもおかしくないです。
ザリガニは食べる部分が少ないですが、アメリカや中国では食用として人気があり味も美味だそうです。
ウチダザリガニのように国内でも泥抜きできないにせよ食材として販売されているザリガニもあるので、泥抜きしたザリガニは食材として大変優れています。
ザリガニマニアにとってはかなり厳しい規制となりますが、日本には本来生息しない生き物を飼育するうえで、やはり在来種や自然環境を尊重するのは当然だと思います。
外来種のザリガニたちには何の罪もなくすべては人間の意識の低さが招いた結果です。
アメリカザリガニまで規制されないように飼い主として責任を持って終生飼育しましょう。
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