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ミツバチの蜂群崩壊症候群 (CCD) 働き蜂が失踪してコロニー崩壊を招く怪現象は人類の存亡にも関わる

ミツバチはただ蜂蜜を取るためだけでなく農作物の受粉にも広く用いられ人間と深い関わりのある昆虫です。

そんなミツバチが近年世界中で減少傾向にあり、このままミツバチが減り続ければ食糧危機の原因になる可能性を秘めています。

1970年代から野生種のミツバチの数が減り始め、決定的となったのが2006年秋からミツバチの蜂群崩壊症候群 (CCD)が米国各地で発生し、現在に至るまで飼育されているミツバチの約4分の1が消滅してしまったことです。

世界各地でもCCDとは断定できないもののミツバチの数が激減しており、地球規模でミツバチが減少していることが確認されています。

ミツバチに限らずマルハナバチなど他の受粉に関わる重要な昆虫も同様に減っており、虫自体がもの凄いスピードで絶滅へ向かっているようです。

CCDの原因としては疫病・ウイルス説, 栄養失調説, 農薬・殺虫剤説, 電磁波説, 遺伝子組み換え作物説, ミツバチへの過労働・環境の変化によるストレス説など様々な説が唱えられていますが解明されていません。

ミツバチが花の蜜を吸うために体中を花粉まみれにしながら飛び回ってくれるおかげで、私たちはおいしい野菜や果物を食べることができるので、もしその役割が失われると確実に食糧危機に陥ります。

かの有名なアインシュタインが「ミツバチが絶滅したら4年後には人類も滅びているだろう」と警鐘を鳴らしたとされますが定かではありません。

たった4年で人類滅亡は大げさに聞こえますが、食糧を確保するために大国が核戦争を始めたらありえない話では無さそうです。

昨年の秋から春にかけてアメリカ全体のミツバチのコロニーの40%が失われたり、今年の夏はロシアでもミツバチの大量死と大量失踪が発生し現在進行系で状況が悪化しています。

アーモンドやブルーベリーやサクランボなど完全に受粉をミツバチに依存している、または最適とされる作物が特に影響を受けやすく他の訪花昆虫も減少するなか農家は頭を抱えているでしょう。

これまであたかも人類が地球上の覇者のように自然破壊をして文明を発展させてきましたが、実際は多くの生命に支えられているに過ぎず、それらを蔑ろにした結果が今の惨状だと思います。

寄生虫や病原菌を媒介する蚊をすべて根絶やしにするような研究も進んでいますが、結局はそれも人間のエゴでしか無く予期せぬ問題が発生する可能性もあります。

現代人は過剰なまでの殺菌や防虫で虫と接する機会を減らし、ますます虫嫌いの人が増え、身の回りから虫を遠ざけています。

スーパーで売られている野菜に一匹でも虫が付いていたらクレームが入り、消費者がそれを求めた結果このような社会になりました。

菌や虫との共生を拒絶すればそこには抵抗力のない脆弱な肉体だけしか残りません。

養蜂は1万年以上の歴史があり文明の発展にも欠かすことのできない文化ですが、もし近代的な農薬・肥料・環境汚染によってミツバチが苦しめられているなら必ず手痛いしっぺ返しを食らいます。

虫や植物に頼らなければ社会が立ち行かなくなる構造は古代から現代までずっと変わらないので、必ずしも人類が権力を持ったとは言えません。

自らの手で食糧を生産していない分こうした問題に目を向ける機会が少なく、ある日突然ニュースで伝えられ事の重大さに気づき食糧が手に入らなくなっても不思議ではないです。

もし鬱陶しいほど我々のまわりを飛び回る虫たちが姿を消すような時が来たら、人類滅亡の一歩手前に差し掛かっているサインかもしれません。