Boxabl Casita イーロン・マスクをも魅了するカスタマイズ性に優れた新時代の極小プレハブ住宅
かつての日本は何十年もの住宅ローンを組んで新築一戸建てのマイホームを手に入れることが当たり前でしたが、時代が変わりすべて工場で製造し現地で組み立て完成というお手軽な家が登場しました。
これまでにもパーツごとにバラバラで現地で組み立てるパネルハウスのような家はありましたが、Boxabl Casitaは箱をクレーンで引き上げるだけで完成してしまうシンプルな構造です。
それでいて耐久性はもちろん耐水性・耐風性・耐火性・防カビ・防虫なども高い水準で実現しています。
価格は約5万ドルとプレハブにしてはそこそこ値が張りますが、何十年も住宅ローンを支払うことなく建てられます。
アメリカの実業家、エンジニア、投資家であるイーロン・マスクがCasitaで生活しているという噂があり余計に注目が集まっています。
イーロン・マスクほどの大富豪がプレハブ生活するのは少し心配になりますが、自身が創設した宇宙開発企業スペースXの敷地内に建設されているのでセキュリティは万全でしょう。
かつては立派な豪邸に住んでいましたがそれをすべて売却し、プレハブ生活へ行き着いたのは何とも興味深いです。
彼は本気で火星移住を目指しており地球上にある不動産にはあまり関心が無くなったのかもしれません。
それでも不動産の売却によってかなりの利益を出しているので、投資家目線での利確のタイミングと重なった部分もあるでしょう。
Casitaはわずか37平方メートルのなかにキッチンやバス・トイレなど生活に必要なものが一通りそろっているので、少人数であれば普通に暮らせます。
地震大国の日本では基礎をしっかりと作るのでそれなりの工数が必要になります。
Casitaは工場で電気や配管工事をすべて終わらせてから輸送するので、早ければ到着から1時間ほどで生活できる状態にまで持っていけます。
工数が多ければ多いほど住宅の値段に影響するので、極限まで効率化した極小プレハブ住宅は新時代の住居と言えるでしょう。
Casitaの優れている点は徹底した効率化だけでなく、目的に応じて自由にカスタマイズできることです。
Casitaをひとつのブロックと捉えてブロック同士を連結すれば単純に住居スペースが2倍になります。
2階建てにするための階段が付いているブロックや広いキッチンのあるブロックなど自由に組み合わせて理想の空間を作れます。
仮にこうしたブロック型の住宅が増えれば、例えば子育て中はブロックを増やして子が巣立ったらブロックを売却するなど無駄のない暮らし方ができそうです。
空き家は土地と住宅がセットになっているのが問題で、もし土地から住宅を移動できれば中古のブロックが欲しい人に譲渡することができます。
住宅を不動産と捉えない発想はもしかするとイーロン・マスクの思い描く火星移住のイメージと合致するのかもしれません。
地球から火星まで住宅を飛ばして着陸後すぐに生活可能というような新しい住宅像が見えてきました。
もちろんただの好奇心と目新しさで住んでいるだけの可能性もあります(笑)
国策として中流層にマイホームの夢を抱かせ、その活力で経済を回していた時代は良いですが、そのような人生プランが描きにくい時代になり現実的な住宅のあり方を見直す時期に来ていると思います。
住宅ローン返済のために定年まで働き続ける人生はある意味国家に人生を操られているとも言えます。
夢の中で一生暮らすか呪縛から解き放たれ現実のなかで暮らすかどちらが幸せなのかはわかりませんが、自分の人生をデザインする充実感は後者の方が強いでしょう。
多額の住宅ローンに縛られることなく住宅はもっと自由であるべきだということをCasitaは伝えてくれています。
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