DJ機材を取り付けた自転車に乗って演奏しながら各都市を走り回るユニークなイギリス人DJ
イギリス人DJのドム・ホワイティングさんはロックダウンによってクラブでのDJプレイができなくなり、駐車場など野外で活動することを余儀なくされました。
ある日友人から自転車にDJ機材を取り付けることを提案され、自転車に乗りながらDJプレイすることで状況が一変しました。
前方に大きなカゴの付いた三輪車にDJ機材を設置し、ゆっくりと走らせることで都市の中を移動しながらDJプレイすることができます。
当然DJ機材は電力で動くので長時間プレイできるだけの強力なバッテリーを搭載したり、デッキやスピーカーの調整など何度もテストを繰り返して今に至ります。
最初は小規模だったイベントも回を重ねるごとに人気が高まり、大勢を引き連れて移り変わる景色を眺めながら音楽を楽しめるユニークなイベントになりました。
老若男女問わず自由に参加できる雰囲気で、自転車だけでなく、キックスケーター、インラインスケート、スケートボード、車椅子など多種多様な乗り物が登場します。
日本ではいろいろと規制が厳しく、同じようなことをやるのは難しそうですが、この大らかさが羨ましく思えます。
最初はイギリス国内の都市を回っていましたが、知名度が上がったことでドイツやベルギーなど他の国でもイベントが行われるようになりました。
自転車DJの良いところはサイクリングしながら音楽を聴けるので1時間以上走ったら良い運動になりますし、場所も常に変動しているので客席という概念がありません。
アームに取り付けたカメラで前方から撮影することで他では見られない映像が生まれ、動画を通じてさらに知名度が上がりイベントの規模が拡大しています。
もしパンデミックによるロックダウンが起きなければ、このようなアイデアは実行されていないでしょうし、例え不利な状況でも機転を利かせれば覆せるということを証明してくれました。
ヨーロッパ諸国ではもともと自転車が普及しているので、イベントに参加しやすい環境が整っていたことも大きいです。
日本も自転車はわりと身近な乗り物ですが、ヨーロッパの方が自転車に乗るための環境が整備されているので、日本も同じくらいの水準になればもっと安全で快適なサイクリングが楽しめるようになるでしょう。
自動車やバイクに比べて自転車は環境負荷の少ない乗り物なので、今後さらに利用者が増えていくでしょうし、健康促進にもなるので良いこと尽くめです。
自転車DJまでいかなくとも様々なサイクリングイベントが日本各地で開催され、質の良いサイクリストが増えれば、信号大国でストップ&ゴーの多い日本の道路に適した自転車がより普及していくはずです。
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