猛暑による米不足で価格が高騰!業界団体による政府備蓄米の放出要請は食糧危機の序章か?
2023年夏の記録的な猛暑の影響で国産米が不作となり、2024年になって本格的な米不足に陥っています。
スーパーや米屋に新たな在庫がなかなか入らなくなり、販売価格が高騰しています。
一過性のものならまだしも物価が高騰してギリギリの状態で耐えてきた米農家が、いよいよ耐えきれずに廃業を余儀なくされているケースが少なくありません。
ついには米菓の業界団体が農水省に対して政府備蓄米の放出を要請するほどまで追い込まれており、これまでには無かった異常事態だと言えます。
政府備蓄米は10年に1度レベルの不作の年に米の安定供給を維持するために貯蔵されており、例え東日本大震災のような災害が起きても放出されないほど用途が限定されています。
米農家も高齢化や赤字を垂れ流しながら稲作を続けるのは限界がきているので、自家消費する分だけ作って市場へは流さなくなるでしょう。
海外のオリーブオイルやオレンジジュースなどが不作で値上がりしているニュースも見かけますが、それらはあくまで嗜好品の部類であり、日本人の主食であるお米となるとまったく重要度が違います。
今まであまりにもお米の値段が安すぎたということもありますが、今後手に入らなくなれば改めて国産米の価値を見直すことになるでしょう。
最近では海外でも日本のお米の価値が向上し、例え一定量の収穫があっても国内で消費されるより輸出品として海外で消費される割合が増えそうです。
一部の輸出業者は儲かるかもしれませんが、日本でもカカオ農家はチョコレートを食べたことがないような皮肉めいた状態になるかもしれません。
作付面積が減るとますます品質の良いお米が市場から消えていき、上質なお米は海外で売られて日本人の食生活が貧しくなります。
猛暑による不作の影響だけでなく、1970年から2018年まで続けられた減反政策もここにきて利いてます。
猛暑の夏が普通になってきているので、従来の品種と作付けを続けてもお米の品質は下がる一方です。
日本人にとって食文化はかなり関心の高い要素なので、国産米が失われると政治に無関心な人もさすがに危機感を抱き始めるでしょう。
私たちはあまりに食べ物に恵まれすぎいて、食べ物がなくなる危機感をイメージしにくいですが、食料自給率の低い国に住んでいる限りは常に食糧危機のリスクがあるということです。
国内で生産される食べ物についても輸入品や機械の力を借りなければろくに作れない状態なので、それに頼り切った社会構造を続けいたら当然このような危機に見舞われることは予測できます。
これからは上質な食べ物を安く買える時代は終わり、より高い金額を払うか自分で汗水垂らして栽培するかの二極化が進むでしょう。
前者は経済力ありきのごく少数に絞られるので、せめて後者で食文化を維持していきたいです。
それすら不可能ならばあとはその他大勢に混ざり質の低い食事をするしかありません。
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