マレーシア長期滞在ビザ (MM2H) の条件改定でお気楽リタイア移住が困難な時代へ突入か?
2020年7月から一時停止していたマレーシアの長期滞在ビザ (MM2H) の申請が2021年10月に再開され、新規申請に対応する予定ですが、取得要件が大幅に改定されたことですでにマレーシアで生活している移住者も影響を受けるかたちとなりました。
富裕層までとはいかなくともそれなりの収入と資産がなければ取得要件を満たせなくなりました。
コロナ対策として外国人の入国を制限しているのはもちろんですが、あまりに増えすぎた中国人移住者を排除するという意思表示が感じられます。
マレーシアのMM2Hビザ、
・月収25万→100万
・資産証明875万→3750万
と大幅に取得条件が引き上げられたのね。これを満たせない人は1年の猶予ののち出国と手厳しい措置。
アジアは豊かになったので日本な貧乏人なんかもういりません~って感じやね。https://t.co/QY92Yfaf6x— あらいちゅー🐴馬主で大家で占い師 (@araichuu) September 6, 2021
日本で働いて得た年金を原資にマレーシア移住して悠々自適な生活をしていた年金世代は人生設計の変更を余儀なくされます。
数千万円の資金を運用してFIREを達成したとしても今後マレーシア移住は厳しくなるため、日本人の数は確実に減っていくと思います。
マレーシアは一昔に比べて豊かになり、永住権を取得するでもなく美味しいところだけ得ようとする質の悪い移住者を切り捨てても国が成り立つと見込んだのでしょう。
日本からの移住者が減れば日本人宿や日本食レストランなどが減り、日本人が住みにくい国になるという負の連鎖が生まれます。
郷に入っては郷に従えとは言いつつも、やはり移住者は移住者同士で集まりコミュニティを作りがちなので、長期滞在するほど居心地に関係してきます。
切り捨てられた移住者は隣国のタイなど長期滞在ビザの取得要件がゆるい国へ移住したり、渋々母国へ帰還することになるのではないでしょうか。
まだ将来の移住のために資金を貯めている段階の人は良いですが、マレーシアを終の棲家として選択した年金生活者は大慌てです。
日本が何十年も停滞しているうちに東南アジアは爆発的な経済発展を遂げており、今後もその勢いが増していくと考えると今の感覚で安易に海外移住するとそれなりのリスクを伴います。
国力の衰退によって今まで優遇されていたことが見直されたり、選択の幅が狭まる懸念が出始めてきました。
世界全体としてもブレグジット、米中・米ロ関係の悪化、パンデミック、中東情勢の悪化などを経てかつてのグローバル化の流れから、各国が分断と内向きな政策を重視するようになりました。
移住という行為はまさに人の流動なので時代の潮流とはズレが生じているように思います。
海外移住を否定するわけではありませんが、グローバル化が一段落してよりローカルな活動が活発化しそうです。
老後は物価の安い国でゆっくり余生をと考えていても10年後20年後の話になってくると、日本と比較して物価が安いという保証はありません。
世界的な情勢を見ても一点集中で物事を進めるのではなく、常に複数の選択肢を持ちながら行動することが求められてきます。
マレーシアだけでなく東南アジア諸国が急速に経済発展しているので、同じように不要な移住者を排除する動きを見せても不思議ではありません。
この程度で慌てふためくなら先の見通しが甘かったり危機感がないと言われても仕方ないほど海外移住者は弱い立場なのです。
将来のためにどのように資産形成してどこに住むか?多くの日本人はその自由の幅が少しずつ狭まっていることを意識しながら人生設計しましょう。
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