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有害なプラスチック消しゴムの代替品 非塩ビ (PVCフリー) 消しゴムや昔ながらの砂消しゴム


Photo by snoykuo

学校や職場で一般的に使われている消しゴムの原料にはゴムではなくポリ塩化ビニル (PVC) というプラスチックが使われています。

塩ビ管やソフビ人形など生活の中でよく見かける素材なので、これまで特に意識することもなかったでしょう。

消しゴムが登場する前にはパンが消しゴム代わりに使われ、今でも木炭デッサンする際には食パンをこねて消しています。

その後に天然ゴムで作られたまさしく消しゴムが普及して、さらに消去性に優れ製造コストの安いプラスチック字消しが主流になって今に至ります。

もう半世紀以上もプラスチック消しゴムの天下ですが、近年の環境問題の高まりもあってか環境負荷の少ない塩ビに変わる新たな消しゴムが開発されています。

ひとつは塩ビを含まないPVCフリーな合成ゴムで作られた消しゴムで環境に優しいだけではなく消字率もしっかりとキープしているのが特徴です。

もうひとつは天然ゴムを使った昔ながらの消しゴムで自然素材を好む人でも安心して使えます。

またボールペンで書いた字を消す時に使われていた懐かしの砂消しゴムも天然ゴムが原料です。

修正液や修正テープの登場ですっかり影を潜めてしまいましたが今でも地味に生き残っています。

砂消しゴムをプラスチック消しゴムの感覚でゴシゴシ擦るとすぐに紙がボロボロに削れてしまうので、優しく軽いタッチで少しずつ紙の表面を削るのが正解らしいです。

よくプラスチック消しゴムを同じプラスチック製の筆箱や定規などといっしょに放置して、溶けたり引っ付いた経験が誰しもあるはずです。

子供のころは暑くてゴムが溶けただけかと思っていましたが、プラスチックを柔らかくするために添加してある可塑剤が原因でした。

可塑剤のフタル酸エステルは発がん性や生殖毒性との関係が指摘されており、なるべく避けるに越したことはないです。

ただ塩ビ素材はそこら中に溢れかえっているので気にし過ぎも良くありません。

まだプラスチック消しゴムが登場して半世紀ほどなので未知数な部分の方が多いと思います。

どちらかと言えば塩ビ管のような硬いプラスチックよりも、可塑剤を添加された柔らかいプラスチックの方が実際に肌に触れる機会が多いので注意が必要です。

環境ホルモンの観点からすると塩ビそのものよりもフタル酸エステルによる影響の方が大きそうです。

EUではこの問題に対して2019年7月からフタル酸エステル類の一部が規制され使用禁止になりました。

すぐには表面化せず長期間に渡り少しずつ悪影響を与えるような物質が一番厄介であることは間違いありません。

柔らかいプラスチックの使い勝手の良さに慣れた現代人をすぐ別素材へ移行させるのは難しいですが、徐々に新素材や昔ながらの素材へ切り替えていければ良いです。