トレンチライター (オイルライター) は漢のロマンだが使い勝手もわりと良し
トレンチライターはオイルライターの一種で、第一次世界大戦時に塹壕 (トレンチ)のなかにたくさん散らばっていた薬莢 (銃弾の空き容器)を再利用して作られたのが起源とされています。
トレンチといえばトレンチコートがまず思い浮かびますが、トレンチコートも第一次世界大戦でイギリス軍が着用していた軍用コートをファッションに取り入れたものです。
当時のトレンチライターはアンティーク化してあまり見かけなくなりましたが、デザインがほとんど同じなレプリカが多く出回っています。
米軍のジッポー、イギリス軍のロンソン、そしてドイツ軍のイムコと国とライターの製造メーカーがそれぞれ深く結びついていました。
トレンチライターはイムコのIfa (イーファ:IMCO Feuerzeuge Austria)が元祖とされています。
より使いやすく改良されているタイプはガスライターやZIPPO (ジッポー)などと比較しても使い勝手はそれほど劣りません。
当時からすでに完成されていた独特なデザインはどこかスチームパンクな印象で、実用的というよりもZIPPOのように所有欲を満たせるライターだと思います。
少なくともZIPPOのメンテナンスに抵抗のない人はトレンチライターも難なく扱えるはずです。
当時のデザインを忠実に再現したものから実用に耐えうるものまで様々なトレンチライターが売られています。
オイルライターはオイルが自然に減ってしまうのが欠点ですが、パッキンで密閉度の高いものほどオイルが揮発しにくくオイルの減りを抑えられます。
揮発したオイルをこまめに補充する作業も愛おしく感じるのが真のオイルライター愛好家だと思いますが、トレンチライターはタンクの容量が少ないのでオイルの揮発が少ないに越したことはありません。
トレンチライターはZIPPOのように蓋が付いていないので、着火までのアクションが短いのが特徴です。
フリント (着火石)がむき出しなので湿った手で擦ると着火し難い場合がありますが、実用性を高めたタイプはカバー付きで直接フリントに触れなくても着火できるものもあります。
フリントは消耗品なので何度も着火すると磨り減って寿命を迎えますが、その辺に売っている普通のフリントで代用できるので気軽に使用できます。
どうやらイムコ社はジッポー社よりも歴史が古く、ジッポーを含むすべてのオイルライターはイムコ社の規格に基づいており使い捨てライターなども例外ではないようです。
これまでガスライターやZIPPOを使い慣れていて、新たなライターが欲しいという時にトレンチライターは良いアクセントになるのではないでしょうか。
トレンチコートを着て街角でトレンチライターに火を灯せば、20世紀初頭の雰囲気が出てちょっとした自己満足感を得られます。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません
この記事のトラックバックURL
新着記事
現代人は働きすぎによる脳疲労を起こしている?物事に飽きたら危険サイン
脳疲労が現代人を蝕む 毎日あくせく働く現代人の精神と肉体は何かしらの悪影響を受け ...三和製作所 防災防犯ホイッスル サイコール 蓄光 コンパクトで軽く吹いてもしっかり鳴る
理想のホイッスル探し 長らく理想のホイッスルを探し求めてきましたが、もしかしたら ...無印良品 アルミ丸軸万年筆 安くて飾り気のないシンプルな万年筆は隠れた名品
シンプルな万年筆が欲しい人へ 大人になると持ちたくなる文房具の筆頭である万年筆で ...アナログの逆襲:デジタル世界にうんざりしている人たちへ
アナログの復活:デジタル時代に求められる「本物の体験」 私たちの生活は、スマート ...100個に絞った持ち物を書き出すことで所有に対する意識を高める
擬似的に物を減らす 日本という発展した国に住んでいる限り、持ち物が不足して困って ...ピックアップ記事
カテゴリー
このブログを購読